ネットワークエンジニアを目指して・TCP/UDP - IPv6 ヘッダ

 

IPv6 ヘッダ

IPv6 ヘッダは IPv4 に比べると非常に簡略化されています。

ここでは、IPv4 ヘッダと比べながら、IPv6 ヘッダについて見ていきましょう。

IPv6 パケットのヘッダ構造は RFC2460 で規定されています。

http://www.ietf.org/rfc/rfc2460.txt

まずは IPv4 ヘッダと ipv6 ヘッダの構成図を見比べてみましょう。

○ IPv4 ヘッダ

 

 

 

○ ipv6 ヘッダ

 

 

見ていただければ一目瞭然、IPv6 ヘッダは IPv4 にくらべて
とてもシンプルなことが分かります。

ヘッダのサイズは IPv6 の方が長いですが、送信元と宛先 IP アドレス長が
4 倍に大きくなっているためであって、それ以外のフィールドは
たったの 8 バイトであることを考えると、逆にスリムになった
といえるのではないでしょうか。

 

IPv6 ヘッダで廃止・変更されたフィールド

IPv6 では、IPv4 には含まれていた以下のヘッダが廃止されています。

  • ヘッダ長
  • 識別子
  • フラグ
  • フラグメントオフセット
  • ヘッダチェックサム

IPv6 は固定長になったため、「ヘッダ長」が不要になりました。

識別子」「フラグ」「フラグメントオフセット」は、パケットの
フラグメントを処理するために使用されていましたが、
IPv6 はフラグメント化は行わない仕様のため、
これらも不要になっています。

フラグメントは送信するパケットサイズがネットワーク上で
サポートしているサイズよりも大きい場合、パケットを小さいサイズに
分割し送信する機能です。

受信側では分割されたパケットを再構成するわけですが、
もし 1 つでも分割されたパケットを受け取ることが出来ない場合は、
分割前のパケットを全て再送しなければいけないため効率が
良くありませんでした。

そこで IPv6 では「パス MTU 探索」という機能を使って、
送信ノードから受信ノードまでのパス全体を通して
MTU サイズを予め調査して、フラグメントが必要であれば
送信元ノードが行います。

 

ヘッダチェックサム」はパケットの処理を向上させる理由から廃止されました。

 

エラーのチェックは TCP や UDP などのトランスポート層でも
実施していることから、データの信頼性は上位層におまかせする
という考えになったため、IPv6 では「ヘッダチェックサム」が廃止されました。

IPv4 の「Type Of Service」は IPv6 では「トラフィッククラス」に
変更されています。
また、IPv4 の「プロトコルタイプ」と「生存期間」フィールドは
フローラベル」に変更されています。

 

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