QoS - カスタムキューイング(Custom queueing)その2

前回カスタム・キューイングの概要と Cisco IOS ルータのコマンド
ついて説明しました。

今回は Cisco IOS ルータでの設定例とカスタム・キューイング
使用する上での注意点を解説します。

 

カスタム・キューイングの設定例

実際の設定例を見ていきましょう。

例として、以下の条件で設定例を見てみます。

3 つのキューを作成して、それぞれのキューを以下のように割り振ります。

  • キュー 1
    宛先が 10.1.1.1 のホストを格納
    キュー長を 1000 に設定
  • キュー 2
    Telnet パケットを格納
    キュー長を 2000 に設定
  • キュー 3
    デフォルトキューに設定
    キュー長を 3000 に設定

 

設定例

router(config)#access-list 110 permit ip any host 10.1.1.1
router(config)#queue-list 1 protocol ip 1 list 110
router(config)#queue-list 1 protocol ip 2 tcp 23
router(config)#queue-list 1 default 3
router(config)#queue-list 1 queue 1 byte-count 1000
router(config)#queue-list 1 queue 2 byte-count 2000
router(config)#queue-list 1 queue 3 byte-count 3000
router(config)#interface fastethernet 0/0
router(config-if)# custom-queue-lsit 1

カスタム・キューイングの注意点

上記設定をしたルータに、以下の順にパケットが流入してきたとしましょう。

パケット1:600Byte の キュー 1 パケット
パケット2:800Byte の キュー 1 パケット
パケット3:400Byte の キュー 1 パケット
パケット4:1300Byte の キュー 2 パケット
パケット5:400Byte の キュー 3 パケット

まずパケット 1 は 600byte ですので普通に送信します。
パケット 1 送信後のキュー 1 の残りバイト数は 400Byte。
パケット 2 の Byte 数は 800Byte ですが、キュー 1 の残り Byte 数が
ある場合は、Byte 数が超過する場合も送信される動作となりますので、
パケット 2も送信されます。

キュー 1 のバイト数分送信したので、パケット 3 を飛ばしてキュー 2 に
格納されている パケット 4 に移ります。

パケット 4 が送信され、キュー 2 の残りバイト数が 700Byte 残っています
が、キュー 2 に格納されているパケットが存在しないため、
キュー 3 に移ります。

キュー 3 に格納されているパケット 5 を送信し、これで 1 サイクル終了
となり、キュー 1 に戻ります。

キュー 1 にはパケット 3 がまだ格納されていますので、ここでようやく
パケット 3 を送信することになります。

このように、カスタム・キューイングは、必ずしも性格にキューに設定した
バイト単位での動作をしない場合
があります。

そのため正確にカスタム・キューイングを動作させたいのであれば、
事前にネットワークに流れるパケットを調査して、各キューのバイト数を
設計する必要があります。

関連記事

QoSとは
QoSの基本

QoS - クラス分類とマーキング
クラス分類とマーキングについて学んでいきましょう

QoS - それぞれの機能
QoSの3つの基本機能について

QoS - 輻輳制御 (Queueing)
輻輳制御 (Queueing)についての解説

QoS - プライオリティ・キューイング(PQ)
プライオリティ・キューイングについての解説

QoS - カスタムキューイング(Custom queueing)
カスタム・キューイングについての解説

QoS - カスタムキューイング(Custom queueing)その2
カスタム・キューイングについての解説

QoS - WFQ(Weighted Fair Queue)その1
WFQ(Weighted Fair Queue)についての解説

QoS - WFQ(Weighted Fair Queue)その2
WFQ(Weighted Fair Queue)についての解説

QoS - IP Precedence
IP Precedenceについての解説

QoS - DSCP
DSCPについての解説

QoS - CBWFQ
CBWFQについての解説

QoS - LLQ (Low Latencey Queuing)
LLQについての解説

QoS - WRED(Weighted Random Early Detection)
WREDについての解説

QoS - ポリシングとシェーピング
ポリシングとシェーピングについての解説

QoS - GTS(Generic Traffic Shaping)
GTSについての解説

メールマガジン

ネットワ-ク初心者のみなさま。
ネットワークの基礎知識を疎かにすることは
大変危険です!!

「初心者にも理解できるネットワーク技術」

これを読めばネットワークの基礎が分かる!!
ネットワーク関連の仕事に就きたいとお考えの学生の方や、ネットワークに興味があって転職を考えている社会人の方、まずは登録してみてください。

もちろん無料です!!

↓メールマガジン購読はこちら↓

メールアドレス: