情報配布は、計画に従って適切な情報をプロジェクトのステークホルダーに提供するプロセスです。

情報配布プロセスは、プロジェクト・ライフサイクルを通して、すべてのマネジメント・プロセスで実行されます。
このプロセスの焦点は主に実行プロセスの活動であり、コミュニケーション・マネジメント計画書の実施、および予期しない情報の請求への対応などがあります。

効果的な情報配布には以下のような多くの技法があります。

  • 送信者、受信者モデル
    フィードバック・ループとコミュニケーション障壁
  • 媒体の選択
    どんなときに書面で伝達し、どんなときに口頭で伝達するか。どんなときに非公式メモを書き、どんなときに公式レポートを書くか。どんなときに直接会って話し合い、どんなときに電子メールで伝達するか等の特定の状況への対応
  • 文体
    能動態か受動態か、文章構造、用語の選択など
  • 会議のマネジメント技法
    議題の準備やコンフリクトの処理
  • プレゼンテーション技法
    ボディ・ランゲージ、視覚資料のデザイン
  • ファシリテーション技法
    合意形成や障害の克服

情報配布

インプット

プロジェクトマネジメント計画書

プロジェクトマネジメント計画書には、コミュニケーション・マネジメント計画書が含まれています。

実績報告書

実績報告書は、プロジェクトの実績と状況の情報を配布するために使用します。実績報告書はプロジェクト会議の前に用意し、できるだけ正確かつ最新なものにすべきです。

組織のプロセス資産

情報配布プロセスに影響を及ぼす組織のプロセス資産には、以下のようなものがあります。

  • 情報配布に関する方針、手順、ガイドライン
  • テンプレート
  • 過去の情報と教訓

ツールと技法

コミュニケーション手段

情報配布には、個別会議やグループ会議、テレビ会議や音声会議、コンピューターでのチャット、その他の遠隔コミュニケーション手段などを使用します。

情報配布ツール

プロジェクト情報は、以下のようなさまざまなツールを使用して配布されます。

  • ハードコピー文書の配布、手作業のファイリング・システム、共有データベース等
  • 電子的なコミュニケーションや会議のツール。(電子メールやFAX、留守番電話、テレビ会議やウェブ会議、ウェブサイト、ウェブ出版など)
  • プロジェクトマネジメント用電子ツール(スケジューリングとプロジェクトマネジメント・ソフトウェアや会議およびバーチャル・オフイス支援ソフトウェアなど)

アウトプット

組織のプロセス資産更新版

更新される組織のプロセス資産には以下のようなものがあります。

  • ステークホルダーヘの通知
    解決済みの課題、承認済みの変更、プロジェクトの全体的な状況等についての情報をステークホルダーに提供します。
  • プロジェクト報告書
    プロジェクト報告書には、プロジェクトの状況を記述します。この中には、教訓、課題ログ、プロジェクト完了報告書、他の知識エリアからのアウトプットも含めます。
  • プロジェクトのプレゼンテーション
    プロジェクト・チームは、ステークホルダーに対して、公式や非公式に情報を提供します。情報と提供の方法は、聞き手のニーズに合致したものにする必要があります。
  • プロジェクト記録
    プロジェクト記録には、コレスポンデンス、メモ、議事録、プロジェクトについて記述したその他の文書等があります。この情報は、実行可能かつ適切な方法で、体系的に維持する必要があります。
  • ステークホルダーからのフィードバック
    プロジェクトの運営に関するステークホルダーからの情報を配布し、またプロジェクトの将来のパフォーマンスを修正した り、改善したりするために利用します。
  • 教訓の文書化
    課題の原因、是正処置の選択理由、情報配布についてのその他の教訓を文書化します。プロジェクトの教訓は、当該プロジェクトと母体組織双方の履歴データベースの一部となるように文書化し、配布します。

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