ここでは、プロジェクト・マネジメントに影響を与えるものについて書かれています。
それぞれが、どのように影響をあたえるのかについてはしっかりと理解しておきましょう。

  • 組織の文化とスタイル
  • 組織構造
  • 組織のプロセス資産
  • 組織のプロジェクトマネジメント成熟度
  • 組織のプロジェクトマネジメント・システム
  • ジョイント・ベンチャーやパートナーリング

2-4-1. 組織の文化とスタイル

一般には「文化的規範」と言われ、プロジェクトの執行能力に大きく影響してきます。
「規範」とは、「作業を完遂するためのアプローチの方法」「作業を完遂するために採用する手段」「作業を円滑に推進するうえで影響力のある人」等について共通に抱いている認識といえます。

さらに、組織には固有の文化として、以下のようなものがあります。

  • 共通するビジョン、借り感、規範、信条、期待
  • 方針、方法、手順
  • 権限関係についての考え方
  • 労働倫理と労働時間

最後に重要な点として、この「組織の文化」は「組織体の環境要因」の1つであるという点です。
試験でも問われる可能性がありますので覚えておきましょう。

1-8. 組織体の環境要因

2-4-2. 組織構造

組織構造は、資源の可用性やプロジェクトの実施方法に影響を及ぼします。

「組織構造」についても、「組織体の環境要因」の1つです。
1-8. 組織体の環境要因

プロジェクトの組織構造は大きく3つに分類されます。
さらにその中の「マトリックス型」は3つに分けられるため、全部で5つに分類されます。
それぞれの特徴は必ずと言っていいほど試験に出題されますので、必ず押さえておきましょう。

5つの組織体系

以下のポイントは重要ですので、必ず覚えておきましょう。

  • プロジェクト予算をプロジェクトマネジャーがコントロールするのは、強いマトリックス型以上
  • プロジェクトマネジャーが専任なのは、バランスマトリックス型以上
  • 事務スタッフが専任なのは、強いマトリックス型以上

機能型

所属する組織のなかだけでプロジェクトを構成する。
階層構造で各従業員に対して、一人の明確な上司がいます。
機能型はプロジェクトマネジャーの権限は最も低くなり、メンバーの所属はプロジェクトが終了しても変わりません。

機能型組織

マトリックス型

マトリックス型は、機能型とプロジェクト型の特徴を併せ持った組織です。
弱いマトリックス型は機能型組織の特徴を強く持っていて、プロジェクトマネジャーの権限は弱く、むしろ調整者や促進者の役割のほうが強くなります。
逆に強いマトリックス型は、プロジェクト型の特徴を強く持ち、強い権限を持つプロジェクトマネジャーと専任の事務スタッフを持っています。

マトリックス型に共通している点として、プロジェクト・マネジャーをはじめ、メンバーはいろいろな部門から集められて構成されています。
また、メンバーはプロジェクトマネジャーと従来の所属長の二人の上司が存在するため、運用としては複雑になります。
マトリックス型の場合、プロジェクトが終了すると、もとの部署に戻るか別のプロジェクトに移ります。
マトリックス型組織

プロジェクト型

プロジェクト型は、プロジェクトマネジャーに強い権限があり、プロジェクトごとに専任の部署が組織されます。
プロジェクト型の場合、メンバーはプロジェクトが終了すると所属が変わります。
プロジェクト型組織

また、これらの組織体系の他に、「複合型組織」と呼ばれるものもあります。
複合型組織は、機能型、マトリックス型、プロジェクト型の特徴を併せ持った組織で、独自の運用方針で運営されます。

2-4-3. 組織のプロセス資産

組織のプロセス資産は「プロジェクトに関わりをもつ組織のプロセス関連の資産」と定義されています。

組織のプロセス資産は、大きく以下の2つに分類されます。

  • プロセスと手順
  • 企業の知識ベース

組織のプロセス資産は、多くのプロセスで「インプット」情報として利用されています。

プロセスと手順

  • 組織の標準プロセス
  • 標準的なプロダクトとライフサイクル
  • 品質方針と手順
  • 標準化されたガイドライン、作業指示書、提案評価基準、パフォーマンス測定基準
  • テンプレート
  • プロジェクト固有のニーズを満たすための組織の標準プロセスをカスタマイズする場合のガイドラインや基準
  • 組織のコミュニケーション要求事項
  • プロジェクト終結のガイドラインまたは要求事項
  • 財務コントロール手順
  • 課題と欠陥のコントロール、課題と欠陥の特定と解決、必要処置項目の追跡を定義した課題と欠陥マネジメント手順
  • 変更管理手順
  • リスクコントロールの手順
  • 作業認可における優先順位決定、承認あるいは認可書発行の手順

企業の知識ベース

  • プロセスやプロダクトの測定データを収集し、利用可能にするために使用するプロセス測定データベース
  • プロジェクト・ファイル
  • 過去の情報と教訓の知識ベース
  • 課題と欠陥の状況、コントロール情報、課題と欠陥の解決策、必要処置項目の結果等が保存されている課題と欠陥マネジメントに関するデータベース
  • 企業におけるすべての公式の標準、方針、手順、プロジェクト文書等の各バージョンと、ベースラインが保存されているコンフィグレーション・マネジメントに関する知識ベース
  • 作業労働時間、発生コスト、予算、プロジェクト・コスト超過などのすべての情報が保存されている財務データベース

組織体の環境要因と組織のプロセス資産の違いについて問われる問題が出題されることがありますので、違いについてしっかりと理解しておきましょう。
特に「企業の知識ベース」はPMBOK第3版までは両方に記載されていましたが、第4版からは明確に組織のプロセス資産に分類されるようになっています。

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