トラブルシューティングで使えるTCP/IPコマンド:tracert

トラブルシューティングで使えるTCP/IPコマンド:tracert

「tracert」コマンドはリモートホストへの経路を
探すためのコマンド
です。

  • 宛先までの経路が想定通りの経路を通っているのか?
  • 宛先まで通信できない場合に、経路のどこに問題があるのか?
  • 宛先までの通信が遅い場合に、経路のどこがボトルネックのか?

といった問題を解決する場合に大変役に立つコマンドです。

コマンドは、

tracert [リモートホスト名(IPアドレス)]

トレースルート

 

当サイト「itbook.info」へ向けてTracertを実行したときの
表示結果です。

実行例では、ホストから「itbook.info」に対して
トレースルートを実行した結果で、経由したルータのIPアドレスが
順に表示されています。

tracertの動作は、ICMPのエコーパケットにTTLを 1 から順に 
増やしながら送信していくことで、リモートホストへの経路を
探していきます。

なぜ 1 から順に増やしていくのか?

TTLはルータを経由するごとに、 1 づつ減少していきます。
そしてTTLが 0 になると、「ICMP Time Exceeded」メッセージを
送り返します。

トレースルートはこの機能を利用します。

つまり、TTLを 1 づつ増やしていくことで、1ホップづつ経由する
ルータから「ICMP Time Exceeded」が送り返されることで
IPアドレスを調べていく
わけです。

tracert」コマンドは1つのTTLで、3回のエコーパケットを送信し、
応答までの往復にかかった時間を出力していきます。

これで、経路のどこの部分がボトルネックになっているのかを
調べることができます。

応答までの時間がデフォルトで4秒を超えてしまうと、
タイムアウトとなり、その場合は出力結果が「*」と表示されます。

3回のエコーパケット全てがタイムアウトとなってしまうと、
Request timed out」と表示されます。

tracert」コマンドには、以下のオプションが用意されています。

  • -d
    リモートホストをIPアドレスで指定した場合、このオプションを
    付けるとホスト名の名前解決をしません。
  • -h [HOP数]
    宛先のリモートホストに到達するために経由するルータの数を
    指定する場合に使用します。デフォルトのHOP数は 30 です。
  • -w [タイムアウト時間(ミリ秒)]
    応答までのタイムアウト時間を指定する場合に使用します。
    デフォルトは4秒(4000ミリ秒)です。

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