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7.1 コスト見積り

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コスト見積りは、プロジェクト・アクティビティを完了するために必要な資源の概算金額を算出プロセスになります。

コスト見積り

コスト見積りは、ある時点で判明している情報に基づいて行う予測です。コスト見積りは、プロジェクトを開始してから完了するまでのコストの代替案を特定し、検討を行います。また、プロジェクトにとって最適なコストを得るために、内製か購入か、買い取りかリースかという判断や、資源共有の方策など、コストのトレードオフやリスクを考慮に入れる必要があります。

コスト見積りの精度は、プロジェクト・ライフサイクルを通して追加の詳細情報が得られるに応じて、精度は向上していきます。
PMBOK上でのコスト見積りの精度は以下のように記載されています。

  • 立ち上げフェーズでの見積り精度:±50%
  • 詳細情報が収集出来た段階での見積り精度:±10%

立ち上げフェーズでの見積り精度のことを、「超概算見積り(ROM)」と呼ばれています。

コストは、プロジェクトに投入されるすべての資源に対して見積もります。労務や、材料、機器、サービス、施設に加えて、コンティンジェンシー・コストなども含まれます。

インプット

スコープ・ベースライン

スコープ・ベースラインは以下の3つの要素から構成されています。

  • スコープ記述書
  • WBS
  • WBS辞書

スコープ記述書には、プロジェクトに関わる成果物記述書、受入基準、主要な要素成果物、プロジェクトの境界、前提条件、制約条件が記載されています。
プロジェクトのコストを見積もるときの基本的な前提条件の1つとして、見積り範囲を直接費に限定するか、間接費も含めるのかを決める必要があります。間接費とは、特定のプロジェクトに直接結びつけることが出来ないコストで、承認された文書に規定されている会計手順に従って、複数のプロジェクトに公平に配賦されます。
多くのプロジェクトにとって最も一般的な制約条件は、プロジェクト予算があります。その他には納入期限やスキルをもつ要因の可用性、組織の方針などがあります。

WBSは、プロジェクトの要素成果物を構成するすべての要素間の関係を示します。

WBS辞書と関連する詳細な作業範囲記述書は、要素成果物を明らかにし、それぞれの要素成果物を作成するために必要な各WBS要素における作業を記載します。

契約や法律に関する情報として、健康、安全、セキュリティ、知的財産権、ライセンス、許認可などに関する情報が記載されている場合はこれらの情報もコスト見積り時に考慮する必要があります。

プロジェクト・スケジュール

プロジェクト・スケジュールとは、プロジェクトの作業を完了するために資源を使用するときに、プロジェクト・コストの決定に影響を与える主な要因は、その資源の種類と量、およびその資源を使用する期間のことです。アクティビティに割り付けた資源とその所要期間は、コスト見積りプロセスの重要なインプットになります。

アクティビティ資源見積りは、コスト見積りと密接に関連しています。
アクティビティ資源見積りで、アクティビティに必要な要因、物資の数量を決定していて、コスト見積りに影響を及ぼす要因になります。

人的資源計画書

プロジェクト人的資源マネジメントエリアの人的資源計画書作成プロセスのアウトプットで、プロジェクト要因の特性やその単価、関連する表彰や報酬も、コスト見積りに必要な要素になります。

リスク登録簿

プロジェクト・リスク・マネジメントエリアの各プロセスで作成、更新されていく情報です。
リスクは、脅威か好機を問わず、通常はアクティビティおよびプロジェクトの総コストの両方に影響を及ぼします。プロジェクトがマイナスの影響を及ぼすリスク事象に遭遇すると、多くの場合、短期的にはプロジェクトのコストが増加し、場合によってはプロジェクトのスケジュールにも遅れがでる可能性があります。

組織体の環境要因

コスト見積りプロセスで利用する情報には以下のようなものがあります。

  • 市場の状況
    市場において、プロジェクトに必要な資源を、どこから、どのような取引条件で入手できるかに関する情報です。
  • 市販の市場情報
    市販の市場情報には、し合い単価や設備機器の標準価格などの情報が公開されている場合があります。

組織のプロセス資産

コスト見積りプロセスで利用する情報には以下のようなものがあります。

  • コスト見積り方針
  • コスト見積りテンプレート
  • 過去の情報
  • 教訓

ツールと技法

専門家の判断

コスト見積りは、労務単価、材料費、インフレーション、リスク要因など多くの変数の影響を受けます。専門家の判断は過去の情報を基にして行われ、それによって過去の類似プロジェクトから得られた情勢や情報に関する価値ある理解を得ることが出来ます。
また、専門家の判断は、複数の見積り方法を使うかどうか、および異なる見積り結果の調整方法を決める場合にも使われます。

類推見積り

プロジェクト・タイム・マネジメントエリアのアクティビティ所要期間見積りで紹介したのと同じツールと技法です。
過去の類似したプロジェクトにおいて実際に発生したコストに基づき相対的に見積りを行う技法です。プロジェクトの初期段階など、プロジェクトの詳細な情報が乏しい場合によく使われます。
類推コスト見積りは一般的に他の見積り技法よりもコストや時間はかかりませんが、見積り精度は劣ります。
類推見積りの信頼性がもっとも高くなるのは、過去の類似プロジェクトと類似していて、見積りを行うプロジェクト・チームに専門知識が備わっている場合に信頼性が高くなります。

係数見積り

プロジェクト・タイム・マネジメントエリアのアクティビティ所要期間見積りで紹介したのと同じツールと技法です。
係数見積りは、過去の情報とその他の変数との統計的関係を使い、コストや予算、素養期間などのアクティビティの係数を見積もる技法です。
この技法は、モデルの精微さのレベルやモデルに組み込まれた基礎データに応じて、精度を高めることができます。
係数コスト見積りは、他の見積り方法と共に、プロジェクト全体にわたって、またはプロジェクトの一部に適用されます。

ボトムアップ見積り

プロジェクト・タイム・マネジメントエリアのアクティビティ所要期間見積りで紹介したのと同じツールと技法です。
ボトムアップ見積りは、個々のワーク・パッケージまたはアクティビティのコストを求められる最大レベルの詳細さで見積ります。それから、その見積り結果を上位レベルのWBS要素に集約していきます。
ボトムアップ見積りのコストうや精度は、個々のアクティビティやワーク・パッケージの大きさと複雑さに影響を受けます。

三点見積り

プロジェクト・タイム・マネジメントエリアのアクティビティ所要期間見積りで紹介したのと同じツールと技法です。
三点見積りは、3種類の見積り値を使用し、加重平均することで所要期間(期待値)を求めます。三点見積りを行うことで、見積りの不確実性やリスクを考慮することが可能です。

  • 最頻値
    必要な作業および予想される費用について、最も起こる可能性のある作業に基づくアクティビティ・コスト
  • 楽観値
    アクティビティについて、最良のケースを想定したシナリオとなる分析に基づくアクティビティ・コスト
  • 悲観値
    アクティビティについて、最悪のケースを想定したシナリオとなる分析に基づくアクティビティ・コスト

三点見積りは以下の式で求めることができます。

所要期間(期待値) = (楽観値 + 4 × 最頻値 + 悲観値) / 6

予備設定分析

プロジェクト・タイム・マネジメントエリアのアクティビティ所要期間見積りで紹介したのと同じツールと技法です。
不確実性を補うために、コスト見積りにコンティンジェンシー予備を盛り込む場合があります。
コンティンジェンシー予備は、見積りコストの一定の割合か、一定の金額とすることもあれば、定量的分析手法により設定することもあります。

品質コスト(COQ)

品質コストとは、品質を確保するためのコストのことで、予防コストや評価コスト、不良コストなどが含まれます。

プロジェクトマネジメント見積りソフトウェア

コスト見積り機能を持っているプロジェクト・マネジメント・ソフトウェアを利用すると、コスト見積りに関する様々な代替案を検討することができます。

ベンダー入札の分析

ベンダーからの応札内容に基づいてプロジェクトの適切なコストを分析することも含まれます。
競争入札などでベンダーに発注したプロジェクトの場合、プロジェクト・チームは、個々の要素成果物の価格を調べて、プロジェクトの最終的な総コストを構成する個々のコストを見極めるための見積り作業を行う必要があります。

アウトプット

アクティビティ・コスト見積り

アクティビティ・コスト見積りは、プロジェクト作業を完了するために必要な正当であると思われるコストを定量的に評価したものになります。
コストは、アクティビティ・コスト見積りに投入されるすべての資源に対して見積りを行います。

見積りの根拠

コスト見積りを補完する詳細資料には以下の要素が含まれます。

  • 見積りの根拠(見積り方法)を記した文書
  • すべての前提条件を記した文書
  • すべての既知の制約条件を記した文書
  • 見積りの範囲の表示(例:1000万円±10%)
  • 最終見積もりの信頼性レベルの提示

プロジェクト文書更新版

更新されるプロジェクト文書には以下があります。

  • リスク登録簿
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