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11.6 リスクの監視・コントロール | 目指せPMP

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リスクの監視・コントロールは、プロジェクトの全期間を通して、以下のような活動をすることで、リスク・プロセスの有効性を評価するプロセスです。

  • リスク対応計画の実行
  • 特定したリスクの追跡
  • 残存リスクの監視
  • 新たなリスクの特定

プロジェクトマネジメント計画書に記載された、計画されたリスク対応策は、プロジェクトのライフサイクルを通して実行されますが、プロジェクト作業における新たなリスク、変化するリスク、放置されたリスク等を継続的に監視しなければいけません。

リスクの監視・コントロール・プロセスでは、差異分析や傾向分析などの技法を使用して以下の事項を確認します。

  • プロジェクトの前提条件はまだ有効か
  • 分析結果から、査定したリスクは変化したか、または除去できるか
  • リスク・マネジメント方針と手続きが守られているか
  • 現時点で行ったリスク査定に対応して、コストやスケジュールのコンティンジェンシー予備を変更するべきか

リスクの監視・コントロールでは、代替戦略の選択、コンティンジェンシー計画や代替計画の実行、是正処置の実施、プロジェクトマネジメント計画者の修正などを行います。
リスク対応担当者は、計画の有効性、予想外の影響、リスクに適切に対処するために必要な修正などについてプロジェクト・マネジャーに定期的に報告を行います。教訓データベースやリスク・マネジメントのテンプレートなどの組織のプロセス資産の更新も行います。

リスクの監視・コントロール

インプット

リスク登録簿

リスク登録簿には、以下のような情報が記載されます。

  • 特定したリスクとリスク・オーナー
  • 合意したリスク対応策
  • 具体的に実行する行動
  • リスクの兆候と警告サイン
  • 残存リスクと二次リスク
  • 優先順位の低いリスクの監視リスト
  • スケジュールとコストのコンティンジェンシー予備

プロジェクトマネジメント計画書

プロジェクトマンジメント計画書にはリスク許容度、実施手順と要員任命 (リスク・オーナーを含む)、 所要期間、リスク・マネジメントのための資源などが記載された、リスク・マネジメント計画書が含まれます。

作業パフォーマンス情報

作業パフォーマンス情報には、以下の情報が含まれます。

  • 要素成果物の状況
  • スケジュールの進捗
  • 発生したコスト

実績報告書

実績報告書には、以下の情報が含まれます。

  • パフォーマンス測定結果からの情報を収集・分析した結果に基づく、差異分析、アーンド・バリュー・データ、予測データなどの情報

ツールと技法

リスク再査定

リスクの監視・コントロールの結果として、新たなリスクの特定、現在のリスクの再査定、放置されたリスクの終結等を行います。リスクの再査定は定期的に行うべきで、どの程度の繰り返し回数と詳細さのレベルが適切かは、プロジェクト目標に対してどの程度進展しているかに依存します。

リスク監査

リスク監査では、リスク・マネジメント・プロセスの有効性とともに、特定したリスクとその根本原因に対するリスク対応策の有効性を検証し文書化します。プロジェクト・マネジャーはリスク・マネジメント計画書で定めている規定に沿って、適切な頻度でリスク監査を実施する責任があります。監査の形式と日標は、監査の実施前に明確に定めておく必要があります。

差異・傾向分析

計画と実績を比較するために、多 くのコントロール・プロセスにおいて差異分析が行われます。リスク事象を監視し、コントロールするために実績情報を使用してプロジェクトの実行における傾向をレビューする必要があります。
全体的なプロジェクト・パフォーマンスを監視するために、アーンド・バリュー分析およびその他の差異と傾向を分析する方法を使用します。これらの分析結果から、プロジェクト完了時に生じるコストおよびスケジュールの目標から逸脱を予測します。ベースライン計画からの逸脱は、脅威または好機の潜在的な影響の発生を示しています。

技術的パフォーマンスの測定

技術的パフォーマンスの測定とは、プロジェクト実行中の技術的成果とプロジェクト計画書に規定した技術的達成項目とを比較することです。比較するためには、目標に対して実際の結果を比較することに使用することができる尺度で、技術的パフォーマンスを客観的かつ定量的に測定できる尺度の定義が必要になります。このような技術的パフォーマンスの測定方法には、重量、 トランザクション時間、出荷時の欠陥数などがあります。
マイルストーンにおいて、実装されている機能が計画よりも多いか少ないかを知ることで、プロジェクト・スコープを達成する成功の度合いを予測するとともに、プロジェクトが直面する技術的リスクの度合いを明らかにすることができます。

予備設定分析

プロジェクト実行中に、予算やスケジュールのコンティンジェンシー予備に対するプラスまたはマイナスの影響を伴うリスクが発生します。 予備設定分析は、残存しているコンティンジェンシー予備が十分であるかどうかを判断するために、プロジェクトの任意の時点において、コンティンジェンシー予備の残余量と残存リスク量とを比較します。

状況確認ミーティング

プロジェクト・リスク・マネジメントは、定期的な状況確認ミーテイングで討議すべき議題の1つです。リスクに関する議題に必要な時間は特定したリスク、その優先順位、対応の困難さなどにより異なります。リスク・マネジメントは頻繁に実施すればするほど容易になり、リスクに関して討議すればするほど、脅威や好機が特定できるようになります。

アウトプット

リスク登録簿更新版

以下のようなものが更新されます。

  • リスク再査定、リスク監査、定期的なリスク・レビューの結果
    これらの結果には、新たなリスク事象の特定、発生確率の更新、影響度、優先順位、対応計画、オーナーシップ、リスク登録簿におけるその他の要素が含まれます。さらに、適用対象外となったリスクを除外し、そのリスクに関連して設けた予備の解除も含まれます。
  • プロジェクトのリスクやリスクに対応した実際の結果
    これらの情報は、プロジェクト・マネジャーが組織全体にわたるリスク計画や将来のプロジェクトにおける計画を作成するのに役立ちます。

組織のプロセス資産更新版

以下のようなものが更新されます。

  • 発生確率・影響度マトリックスおよびリスク登録簿などを含むリスク・マネジメント計画書のテンプレート
  • リスク・ブレークダウン・ストラクチャー(RBS)
  • プロジェクト・リスク・マネジメント活動から得られた教訓

変更要求

変更要求には、是正処置や呼ぼう処置を含めます。

  • 是正処置
    是正処置にはコンティンジェンシー計画や迂回策計画が含まれます。迂回策計画は、初期には計画していなかった対応策であり、以前は特定されていなかったか、あるいは受動的な受容をしたことにより新たに生じたリスクに対応するために必要となった対応策です。
  • 予防処置
    予防処置は、プロジェクトをプロジェクトマネジメント計画書に沿うようにするための対応策です。

コンティンジェンシー計画と迂回策計画

コンティンジェンシー計画と迂回策計画の違いについて、PMP試験に出題される可能性がありますので、ここでまとめておきます。

  • コンティンジェンシー計画
    • 能動的受容のための対応策
    • 事前にリスク対応策を策定
    • 実行コストはコンティンジェンシー予備費として確保
    • コンティンジェンシー予備費は、プロジェクト・マネジャーの権限で利用
  • 迂回策計画
    • 受動的受容、または事前に想定できなかったリスクへの対応策
    • 事前にリスク対応策を用意せず、リスク発生時に対応策を策定
    • 実行コストはマネジメント予備費を使用
    • マネジメント予備費の使用にはスポンサーの承認が必要

プロジェクトマネジメント計画書更新版

承認された変更要求がリスク・マネジメントのプロセスに影響を及ぼす場合、承認された変更を反映し、変更に関連したプロジェクトマネジメント計画書の該当する文書を改訂し、再発行します。
更新するプロジェクトマネジメント計画書の文書は、リスク対応計画プロセスで記載したものと同じです。

プロジェクト文書更新版

更新するプロジェクト文書は、リスク対応計画で記載したものと同じです。

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