ソフトバンクのiPhoneで、緊急地震速報かと思いきやニュースやが配信されてきた件について

一部修正と追記を行いました(2012/12/17)

先日、ソフトバンクのiPhoneで、緊急地震速報かと思いきやスポーツニュースや芸能ニュースが配信されてきたというニュースが話題になりました。

そもそもこの緊急地震速報を送る仕組みには、ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)という3GPPで規定されている方式を使っているのですが、auではこのETWSを使ってニュースの配信も行っており、auでETWSで配信した情報がソフトバンク端末で受信してしまったようです。

ところが、このETWSは、その仕様上、A社が配信した情報を、同一周波数を使うB社の端末でも受け取れるようになっている。つまりキャリアに関わりなく受信できることになる。ドコモによれば、今夏、auがETWSで配信したコンテンツを、ドコモのXi端末で受信したことがあり、ごく一部のユーザーから申告があった。この申告を受け、3社では協議を実施。互いに対策を行うことになり、ドコモのXi端末では既に対応済で、auからのコンテンツ配信は受信しない形になっている。

ソフトバンク「iPhone 5」緊急速報メール誤配信の原因 – ケータイ Watch ネット上では、「ETWSを使って広告を配信するauは頭おかしい」とか、「便利な機能を使って効率よくサービスするのは問題ないでしょ」など、様々な意見が飛び交っているようです。

そもそも、ETWSの利用について3GPPの仕様はどうなのよ?と思い調べてみました。

仕様としてETWSを使っての広告配信はOKなのか?

ETWSの仕様が3GPP TS 22.268で規定されているようです。

3GPP specification: 22.268

3GPP TS 22.268(PDF)

仕様書を読むと、「4.2項 High level general requirements for Warning Notification delivery」に以下の記載があります。

Warning Notifications shall be limited to those emergencies where life or property is at imminent risk, and some responsive action should be taken.

生命または財産が切迫した危険にひんしている場合、通知の警告はそれらの緊急に制限されたものとします。また、ある反応する処置が講じられるべきです。

「生命または財産が切迫した危険に瀕している場合に、緊急に警告する目的のみに制限する」と記載されています。

ということは、auのように広告として利用することは、仕様として認められていないことになりますなぁ。

ただ、注記として以下のようにも書かれています。

NOTE: This requirement does not prohibit the use of the operator’s network (i.e. broadcast technology) implemented for Warning Notifications to be used for commercial services.

「この要求は、キャリアによる商業サービスのための仕様については禁止しない」と書かれていて、つまりはauがサービスしているような広告配信は仕様として認められていることになります。

KDDIのコメント(追記:2012/12/17)

KDDIから今回の件についてコメントが発表されました。

スマートフォン・携帯電話に関するお知らせ詳細 | スマートフォン・携帯電話に関するお知らせ | au

結論だけ書くと、ETWSでニュースを送ったって問題ないですよーという見解のようですね。

結論

auがETWSを使ってニュースを配信しているのは、おそらくマルチキャストで伝送効率が良いからなんだろうし、仕様として認められているのなら問題ではないんじゃないかと。

ドコモによれば、今夏、auがETWSで配信したコンテンツを、ドコモのXi端末で受信したことがあり、ごく一部のユーザーから申告があった。この申告を受け、3社では協議を実施。互いに対策を行うことになり、ドコモのXi端末では既に対応済で、auからのコンテンツ配信は受信しない形になっている。

むしろ、今回の一件は3社で合意したにも関わらず対策をしていなかったソフトバンクが悪いと言えそうです。

なのですが、そもそもETWSを便利そうだからという理由で、広告に使ってしまおうという意識はどうなんでしょうかね。 「緊急時の情報」と「即時性の不要な単なる広告」を同じに扱っている点が何か気持ち悪いなぁと。

緊急配信意外に使うとしてもETWSメッセージはキャリア問わずに配信されるわけで、その点を考慮した検討が今後は必要な気がします。 現状は受信側でDenyしているようですが、送信側で端末を制限するぐらいは必要でしょうね。

技術的なお話

ETWSはCBS(Cell Broadcast Service)という方式を使って配信しています。

CBSは3GPP TS 23.041で規定されています。

3GPP specification: 23.041

3GPP TS 23.041(PDF)

細かい内容は読んでもらうとして、「9.3.24 Warning-Type」でETWSのパラメータを設定するようです。

This parameter is set when ETWS is used. It has three fields in order to contain warning type value, emergency user alert and popup indications.

The warning type value field indicates the following 5 warning types as its values; earthquake, tsunami, earthquake and tsunami, test, and other. Also, other warning types can be defined in the future if it is required.www.quintillion.co.jp/3GPP/Specs/23041-a10.pdf

さらに、端末側で緊急警告通知なのか、ポップアップさせるのかを知らせるためのフィールドも用意されている模様。

www.quintillion.co.jp/3GPP/Specs/23041-a10.pdf

auの広告配信はどのビットが立っていたんだろうなぁ。

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