IPネットワークを構成する機器(1)

今回はネットワークを構成する様々なネットワーク機器に着目して見ていきたいと思います。それぞれのネットワーク機器に割り当てられた機能から、ネットワーク全体の役割を理解していきましょう。

PCはアクセススイッチで接続

PCがインターネットや企業ネットワークに接続するためには、LANケーブルや無線LANでネットワークに接続します。具体的にスイッチに接続されることになります。無線LANで接続する場合も、無線LANのアクセスポイントがスイッチに接続されます。このスイッチのことを「アクセススイッチ」呼びます。

アクセススイッチでは、部署ごとにネットワークを分割するためにVLANがよく使われます。
人事部と営業部で同じネットワークに属させたくない場合など、ネットワークを分割させたい場合にVLANが使用されます。

また最近の企業ネットワークでは、スマートフォンやタブレット、有線LANのNICが無いノートPCなど、有線LANに接続できない機器が増えてきているため無線LANが広く普及しています。無線LANの場合、端末はアクセスポイントに接続し、アクセスポイントがアクセススイッチとつながります。無線LANは多様な端末がつながるため、ユーザーや端末を認証するための仕組みや、無線間の通信を暗号化するなど、セキュリティ対策が重要になります。

アクセススイッチ

アクセススイッチはパソコンやプリンタ、無線LANのアクセスポイントなどを接続するためのスイッチです。かつてのアクセススイッチはハブが使われていましたが現在はL2スイッチが使われています。企業で利用されるアクセススイッチは、家庭で利用されるような一般的なスイッチよりも、ポート数と安定性、パフォーマンスが求められます。パソコンを接続するポート向けに100Mbps~1Gbpsの接続ポートが数十ポートと、ディストリビューションスイッチと接続するためのより高速な1Gbpsや10Gbpsのポートを数ポート備えているスイッチが多いです。

Cisco Catalyst 2960 シリーズ スイッチ

アクセススイッチに求められる機能

アクセススイッチには以下のような機能が求められます。

VLAN

VLANは仮想的なセグメントを作成する技術で、部門ごとやフロアごとなどでセグメントを分割したい場合に利用します。VLANを利用してセグメントを分割することで、VLAN間の通信を制限することが出来ます。また、セグメントを分けることで利用ユーザーをグループ化することができるため、ネットワークを管理しやすくなるというメリットもあります。

端末認証

最近はセキュリティの強化が進められているため、認証機能を持ったアクセススイッチの導入も進んでいます。認証方法はさまざまありますが、よく利用されるのがWeb認証機能とMACアドレス認証です。
Web認証機能は、パソコンをアクセススイッチに接続すると、接続可否を判断するWeb認証機能が動作し、IDとパスワードを求められます。事前に登録したIDとパスワードを入力すればネットワークに接続することができるようになります。
MACアドレス認証は、事前に接続するパソコンのMACアドレスを登録しておき、該当のパソコンを接続すればネットワークに接続できますが、登録していないパソコンを接続してもネットワークに接続することができません。

複数のアクセススイッチをディストリビューションスイッチで束ねる

接続するPCが多くなり、多数のアクセススイッチが存在する場合、そのアクセススイッチを束ねるための「ディストリビューションスイッチ」と呼ばれるスイッチが存在します。

ディストリビューションスイッチは、アクセススイッチでネットワークを分割するために使用したVLAN間の通信を行うために、一般的にはL3スイッチが使用されます。VLAN間の通信に対してフィルタリング機能を使用して細かなアクセス制御を行ったり、QoS(Quality Of Service)を使用して優先させたい通信を保証させるといった機能を動作させます。

ディストリビューションスイッチ

ディストリビューションスイッチは多数のアクセススイッチを集約するためのスイッチです。

Cisco Catalyst 4500-X シリーズ スイッチ

ディストリビューションスイッチに求められる機能

冗長機能

ディストリビューションスイッチには以下のような機能が求められます。そのためディストリビューションスイッチが停止すると、配下のアクセススイッチすべてに影響を及ぼしてしまいます。そのため一般的に複数台で冗長構成を取ることが多いです。

切替手法はRFCで標準化されたものや、メーカー独自機能などさまざまです。もっとも一般的な技術にVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)があります。VRRPを利用することで、物理的に2台以上あるディストリビューションスイッチを論理的に1台のディストリビューションスイッチに見せることができます。

2台以上のディストリビューションスイッチに仮想的な同じIPアドレスを持たせ、アクセススイッチ配下の端末からは、仮想IPアドレスにアクセスするように設定します。実際の通信は、主となるスイッチ(マスタースイッチ)でパケットの転送処理が行われます。マスタースイッチで障害が発生すると、自動でバックアップのスイッチに切り替わります。

全てのディストリビューションスイッチに、仮想的な同じIPアドレスを付与します。

マスタースイッチが障害時には、バックアップスイッチがマスタースイッチに切り替わり通信を継続させることができます。

QoS

QoS(Quality of Service)とは、通信品質の制御を行う技術で、特定の通信を優先/非優先させることで、帯域資源を有効活用するものです。例えば音声や映像通信など、通信が途切れると影響が大きいものは通信を優先させ、業務に影響しないインターネット通信を非優先に設定したりします。

VLAN間接続

アクセススイッチにてVLANでセグメントを分割しても、セグメント間で通信したい場合があると思います。その場合、ディストリビューションスイッチでVLAN間通信を行うことが多いです。VLAN間通信を行うためには、L3スイッチやルータなどのネットワーク層で動作する機器でルーティングさせてあげる必要がなります。L3スイッチやルータで、VLANに所属するインタフェースを作成し、そのインタフェースにIPアドレスをそれぞれ割り当て、このインタフェースを介してネットワーク層で通信を行います。

音声や映像通信など、通信が途切れると影響が大きいものは通信を優先させ、業務に影響しないインターネット通信を非優先に設定して、帯域が溢れてしまう場合は、非優先パケットは破棄されます。

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