OpenFlowとSDNの違いと各社のSDN戦略

OpenFlowとSDNの違い

OpenFlowSDNを同列に思われている方もいるようなので、 OpenFlowSDNの違いについて書いておきます。

OpenFlowはIPやTCPなどと同じプロトコルの一つです。 仕様が明確に決められていて、各種ベンダーとの相互接続試験も 実施されています。

また、OpenFlowにはバージョンが付与されていて 現在の最新バージョンは1.4になります。(2014年6月現在)

逆にSDNは仕様が決められているわけではなく、 SDNとはあくまでも概念のことをいいます。 そのため、各社の考え方もバラバラで何をもってSDNなのかは かなり混沌としています。

ただし各社「自動化」が大きなポイントな点は一緒です。 ここでいう自動化とはネットワークの構成や設定を自動で 制御できる手法のことです。

特にサーバー周りではOpenStackCloudStackChefなどなど 自動化プラットフォームが主流になってきている中で、 ネットワークも今までにない大規模管理手法があっても良いんじゃね? というニーズが根本にあります。

ここまで読んで感じた方もいるかもしれませんが、 SDNという考え方は決して新しいものではありません。

一般的なSNMPを使った監視や設定も、SDNと言えます。 一部では既にSDN的な手法を使っていましたが、 昨今のSDNの思想がネットワーク全体にまで広がってきているため、 大きく注目されてきている一つの要因ではないかと思います。

大まかな各ベンダーごとのSDNの定義

SDNの定義が各ベンダーごとに違うことは先ほど説明しましたが、 各ベンダーの立ち位置によって大きく3つに分類することが出来ます。 以下はあくまで個人的私見なので話半分ぐらいで読んで頂ければ幸い。

大手機器ベンダー

Ciscoなどの既存の大手機器ベンダーは、SDNを推進することで これまで占有してきたビジネスを失う可能性もあるため、 単にSDNを推進するのではなく、既存の機器を活かしながらSDNを 推進するような戦略をとってきているようです。

OpenFlowだけでは顧客の要求を満たすことができないため、 既存のネットワーク機器を活かしながらSDN化を推進するような 戦略などがその一例です。 ベンダー独自のAPIを公開して、既存ネットワーク機器を APIを使って制御させることでSDNを実現させるという考え方です。

※APIとは、ソフトウェアの機能や管理を、外部のプログラムから 呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のこと。

上位レイヤのベンダー

サーバーの仮想化ソフトを提供しているような上位レイヤのベンダーは、 逆にハードウェアに依存せずに得意分野であるソフトウェアで 制御するというアプローチを取っていて、OpenFlowはもちろん 独自APIを活用して、マルチベンダー環境のSDNを実現するという 考え方が多いようです。

スタートアップベンダー

これから市場に切り込んでいこうとしているスタートアップ企業は、 SDNのオープン性を前面に押し出した戦略を取ってきます。 オープン性こそがSDNの最大のメリットであり、 そのためにOpenFlowのような標準インタフェースを使って、 ベンダーに依存しない環境こそがSDNであると。

以上のように、各ベンダーの立ち位置によって、 SDNへの取り組み方が違い、様々な思惑が入り交じっているところが、 面白くもあり、混沌としているところでもあるのかなと思います。

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