Googleを辞めたエンジニアによるGoogle批判

Googleに13年務めてたSteve Yegge (スティーブ・イエギ) が、Googleを退社してGrabというシンガポールのスタートアップに転職したようです。

退社を機に、「Why I left Google to join Grab(なぜGrabに参加するためにGoogleを辞めたのか)」という記事を公開しています。とても興味深い内容だったので簡単に紹介します。

After nearly 13 years at Google, I have finally left the nest! Never thought it would happen. I always thought I would die at Google — maybe choking to death on one of their free chocolate brownies, or maybe finally having a heart attack over YouTube’s increasingly bizarre policy enforcement.

via:Why I left Google to join Grab – Steve Yegge – Medium

彼がGoogleを辞めた理由として、Googleはもはや革新的ではなくなってしまったからとのこと。その要因として次の4つを挙げています。

保守的になってしまった

自分が得たものを守る事に集中していて、リスクを冒すことや真のイノベーションを恐れている。

政治活動に没頭してしまった

政治は厄介なプロセスであり、スピード感が消失し、実行の問題にもつながっていく。

傲慢

謙虚な人でいっぱいの会社でも、傲慢な会社になれることを理解するのに何年もかかった。
Googleのように劇的な成功を遂げた企業は、自己満足症候群、自社開発主義症候群(自社開発の技術ではないという理由で採用しない)にかかり、貧弱な戦略的意思決定をとり、顧客との接点を失ってしまう。
Googleは多くのサービス(Google+やReader、Hangoutsなど)を展開してきたが、10年近く成功していない。

顧客中心ではなく競争相手に100%集中している

これが最も最悪なこと。社内のスローガンでは「Focus on the user and all else will follow.」を掲げているが、残念ながら単なるリップサービスになっている。これはGoogleのインセンティブ構造が顧客中心になるように調整されていないから。
Googleは全ての従業員が顧客と対話するため、定期的に時間を確保する代わりに、競合他社の動きを顧客が本当に必要とするものの代用品として使うという危険ではあるが簡単なゲームをしている。

Googleは、消費者に支持される機能や製品を始めることを奨励しているが、これを実現する最も簡単で安全な方法は、競合他社をコピーすること。過去10年間でGoogleが立ち上げたポートフォリオ全体を見ることができるが、そのほとんどすべては競合他社をコピーしたもの。
Google+(Facebook)、Google Cloud(AWS)、Google Home(Amazon Echo)、Allo(WhatsApp)、Android Instant Apps(Facebook, WeChat)、Googleアシスタント(Apple/Siri)などなど。

彼らはもはやDNAの中にイノベーションを持っていない。そして、彼らの目は顧客ではなく競合相手に向いている。

確かにかなり昔のサービス(GmailやGoogle Maps、Google Drive)は今でも便利に使ってますが、最近ローンチしているサービスはまったく使ってないなぁ。
顧客の方ではなく競合の方を向いているという点は確かに納得感ありますね。社員レベルで見れば非常に優秀なエンジニアが多くいるのでしょうが、会社というバスが向かうべきゴールを見失って蛇行運転している状態のように見えます。

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