Ciscoルータが起動するまで

起動モードについて

先ほどのコンフィグレーションレジスタの説明で、いくつかの起動モードが存在すると説明しました。

Ciscoルータの起動モードには以下のようなものがあります。

  • 通常モード
  • bootモード
  • ROMモニタモード

それぞれのモードについて見ていきましょう。

通常モード

このモードは正常にIOSで起動したモードです。

bootモード

このモードはMiniIOSで起動したときのモードで、bootモードで起動したときのプロンプトは以下のように表示されます。

Router(boot)\>

コンフィグレーションレジスタの値が「0x2102」にもかかわらず、bootモードで立ち上がってしまった場合には「フラッシュメモリ内にIOSを見つけることができなくて、bootモードで立ち上がったかもしれない…」ということも考えられます。

ROMモニタモード

もしMiniIOSも見つけることができなかったときは、ROMモニタモードで起動します。
また起動時に「Break」キーを押下したときにもROMモニタモードで起動します。

プロンプトは以下のように表示されます。

rommon 1 \>

ルータに設定したパスワードを忘れてしまったときに、強制的にROMモニタモードで起動させてリカバリするような時に使用するモードです。

またルータ起動時にROMモニタモードで起動してしまった場合、再起動させると問題なくIOSで立ち上がることも少なからずあります。
そんな時は以下のコマンドで再起動させることができます。

rommon 1 \>i 「リターン」

それでもまたROMモニタモードで起動してしまう場合は、コンフィグレーションレジスタの値が間違っているか、IOSが壊れてしまっているかもしれません。

Ciscoルータの各モードについて

それではいよいよルータの設定に入っていきましょう。
Ciscoルータのコマンドラインを理解する上で、まず始めに覚えなければいけないことは「モード」といわれる概念です。

モードって?

Ciscoルータに搭載されているOSのことを“IOS”といい、基本的にコマンドラインで設定を行います。
ルータが立ち上がると以下のようなプロンプトが表示されます。

router\>

“router”部分はそのルータのホストネームになります。つまりルータの名前のこと。

Cisco IOSにはさまざまなモードがありプロンプトの表示内容によって現在どのモードにいるのかを知ることが出来ます。

以下がその一例です。

router\>ユーザモード
router#特権モード
router(config)#グローバルコンフィグレーションモード
  • ユーザモード
    ルータにログインした最初モードがこのユーザモードです。PingやTracerouteといった基本的なコマンドだけ使用できます。ユーザモードはルータの設定を行うことはもちろん、現在のルータの設定情報も見ることができません。
  • 特権モード
    このモードもルータの設定はできません。ただし、ルータの設定情報やルーティングテーブルの確認といった、詳細な情報を見ることができるモードです。
  • グローバルコンフィグレーションモード
    実際にルータの設定が行えるモードです。このようにルータはいくつかのモードで使用できるコマンドも変わってきます。ルータを操作する上で自分が今どのモードにいるのかということはしっかり把握しておきましょう。

ユーザモード

ルータが立ち上がった直後は通常、ユーザモードになります。
プロンプトはホスト名のあとに「>」と表示されます。

ではまず、ユーザモードでいろいろいじくってみましょう。

ルータを立ち上げて起動メッセージが表示された後に、以下のようなメッセージが出ます。

Press RETURN to get started!

ここでリターンキーを押下すると、パスワードが設定されていなければ、そのままユーザモードになります。

パスワードが設定されていれば、以下のようなメッセージが表示されますので、正しいパスワードを入力することでユーザモードになることができます。

Press RETURN to get started! 「リターンキー」
User Access Verification
Password: 「パスワードを入力」
Router\>

ヘルプ機能

特権モードの解説に移る前に、1つルータを操作する上で、便利な機能をご紹介しておきましょう。

Ciscoルータには便利なヘルプ機能というものがあります。ヘルプ機能を使用することで、使用できるコマンドを確認することができます。

使用できるコマンドを確認する方法は、「?」と入力することで使用できるコマンド一覧が表示されます。

router>?
Exec commands:
  <1-99>           Session number to resume
  access-enable    Create a temporary Access-List entry
  access-profile   Apply user-profile to interface
  clear            Reset functions
	
~省略~
	
  udptn            Open an udptn connection
  where            List active connections
  x28              Become an X.28 PAD
  x3               Set X.3 parameters on PAD

ここでは、ユーザモードの状態で、「?」を入力することで使用できるコマンド一覧が
表示されます。

また、ここで「–more–」と表示されれば、画面に表示されていない部分がありますよという意味です。
ここで「スペースキー」を押下すれば次のページが表示されます。

では次に「show ?」と入力してみましょう

router>show ?
  aaa               Show AAA values
  aal2              Show commands for AAL2
  alarm-interface   Display information about a specific Alarm Interface Card
  alps              Alps information
  auto              Show Automation Template
	
~省略~
	
  version           System hardware and software status
  voice             Voice port configuration & stats
  vpdn              VPDN information
  vrrp              VRRP information
  xsm               Show information about XSM Device Manager

showコマンドで使用できるコマンド一覧が表示されます。

このようにCiscoルータはコマンドを覚えていなくても、「?」を駆使することで、使用できるコマンドを確認することができます。

関連記事

メールマガジン

ネットワ-ク初心者のみなさま。
ネットワークの基礎知識を疎かにすることは
大変危険です!!

「初心者にも理解できるネットワーク技術」

これを読めばネットワークの基礎が分かる!!
ネットワーク関連の仕事に就きたいとお考えの学生の方や、ネットワークに興味があって転職を考えている社会人の方、まずは登録してみてください。

もちろん無料です!!

↓メールマガジン購読はこちら↓

メールアドレス: