運も実力のうち


突然ですが、みなさんこのメルマガをお読みになっているということは当然
ネットワークに興味がある、あるいはネットワークに関係する
仕事をされていると思います。

この業界で仕事をしているとですねぇ、
時々理不尽なことが発生するんですよ。
(まぁこの仕事以外でも同じでしょうが…)

でもその時は理不尽だと思っていたことも、
今にして思えば、

 「なるようにしてなったのかも…」

なんて思うこともあるのです。

 

        ■     □     ■

 

その昔、あるネットワークの構築を行っていたときのこと。

お客様のネットワークでも重要な部分のネットワークを
更改するということで、

「事前にしっかりと準備しなくちゃねぇなんて」

ことになっておりました。

そこで、事前に社内で疑似環境を構築して
実際に想定通り動作するか検証をすることと相成りました。

疑似環境といっても、実際に導入する機材を使って
行いまして、いわば本番前の予行練習みたいなものなのでした。

当然最初から想定通りに動くことは簡単ではなく、
「あれやこれや」と設定をいじくってようやく想定通りの
動作をさせることが出来るようになりました。

一口に想定通りの動作といいましても、考えられる条件を
ピックアップしてその全ての条件に対して試験をしていきます。

例えば…

  • インタフェースが落ちたときの通信経路は想定通りか?
  • 回線が落ちたときはどうか?
  • ルータが落ちたとき(電源が落ちたときということね)
    はどうやって迂回するか?

などなど、まあいろんな条件を試してみるのです。

さて検証環境では、とりあえず問題は無さそうだねぇということになり、
いざ導入と相成りました。

 

        ■     □     ■

 

いよいよお客様に導入する日。

機器の設置も無事終わり、新たに導入した機器の電源を投入します。

「フインフィンフィン…」とファンの回り出す音が聞こえます。

ちょっぴりどきどきする時間。

機器も正常に立ち上がり、さっそく通信試験を行います。

問題ありません、ばっちしです。

続いて障害試験を行います。

インタフェースをダウンさせてみたり、ルータの電源を落としてみたりして、
想定通り通信が迂回してくれることを確認します。

ん…?

ここであるインタフェースをダウンさせると、
うまく迂回してくれない箇所が見つかりました。

何度やってもうまくいきません。
検証では問題なかったのに…

おかしいと。

あれだけしっかりと検証していたのにです。

手には汗がにじみ、顔は真っ青です。

結局、導入は見送られ、伸びに伸びて原因が判明したのは1週間後でした。

原因は機器のバグで、あるパケットが飛んでくると
ルーティングが想定通り動作しないなんていう「こにくたらしい」バグなのでした。

 

当時は「バッ、バグかぁ…バグならしゃあないかぁ…」
なんて自分をなぐさめていたわけですが、
今考えればこのバグも事前に察知できたはず。

お客様が実際に業務で使用するプロトコルの種類などは、
あらかじめ聞いてはいたものの、実際に現地でパケットを
キャプチャして実データを確認することはしていませんでした。

もし実際に流れているパケットをキャプチャして、
検証環境で同じパケットを流して確認していたら…

 

        ■     □     ■

 

人は強い信念をもたなければ、どうしてもある部分までやると、
自分にとって快適なパターンに入り込んでしまいます。

そしてそんなときに限って、問題が起きたりするもんなんですね。

限られた時間内で犠牲を払ってでもやり抜く信念を持ち続け、
そして限られた時間内でどの部分を優先し、どの部分を切り捨てるか。

そんな基本的なことにこそ、運を引き寄せる鍵があるのではと、
個人的に思った次第です。

 

「運の良い人々とは、強い信念を維持し、数々の犠牲を払い、
           粘り強い努力を続けてきた人々である」

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