スコープ検証は、「完成したプロジェクトの要素成果物を公式に受け入れるプロセス」と定義されています。

公式な受入れという点がポイント。
スコープ検証は、顧客やスポンサーとともに要素成果物をレビューし、満足のいくような形で完成したことを確認し、顧客やスポンサーが要素成果物を公式に受け入れることを承認します。
試験対策としては、「公式な受入れ」「スコープ検証」をセットで覚えておくと良いかもしれません。

また、PMBOKにはスコープ検証と品質管理の違いについても記述されています。
スコープ検証は、要素成果物の受入れが主要な関心事であるのに対して、品質管理は要素成果物に規定されている品質要求事項を満たしているかどうかが主要な関心事です。
品質管理はスコープ検証よりも先に行われます。つまり、品質管理プロセスで問題がなかった要素成果物が、スコープ検証で公式に受け入れの承認がされるという流れになります。

スコープ検証のインプット、ツールと技法、アウトプットは以下の通りです。

スコープ検証

インプット

プロジェクト・マネジメント計画書

スコープ検証では、プロジェクト・マネジメント計画書の構成要素である「スコープ・ベースライン」を参照します。(4.2 プロジェクトマネジメント計画書作成
スコープ・ベースラインは、スコープ定義書、WBS、WBS辞書の3つの要素成果物を合わせたものです。

要求事項文書

スコープ検証では、要求事項文書の中の、成果物に対する要求事項と受入れ基準を参照します。
5.1 要求事項収集

要求事項トレーサビリティ・マトリックス

ライフサイクルを通じて、どのように要素成果物が作成されたのかを確認します。
5.1 要求事項収集

確認済み要素成果物

確認済み要素成果物は品質管理プロセスのアウトプットで、品質要求事項を満たしていいるかどうかを確認します。

ツールと技法

検査

作業と要素成果物が要求事項と成果物受入れ基準に適合しているかを確認するために行う、測定、試験、検証などからなります。
検査のことを、レビューや製品レビュー、監査、ウォークスルーと呼ばれることもあります。
検査というツールと技法は、このスコープ検証プロセスと、プロジェクト品質マネジメントエリアの品質管理プロセスの2ヶ所で使われますので、覚えておきましょう。

アウトプット

受入れ済み要素成果物

受入れ基準を満たした要素成果物は、顧客やスポンサーからの公式な署名を受け取り承認されます。
受入れを認める公式な文書は、プロジェクトやフェーズの終結プロセスに送られます。

変更要求

公式に受入れられない要素成果物は、その理由とともに文書化され、変更要求となります。
変更要求は統合変更管理プロセスによって、レビューと処理が行われます。

プロジェクト文書更新版

スコープ検証プロセスの結果として、更新するプロジェクト文書は、完成時の成果物や報告書の状態を定義するあらゆる文書を含みます。

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