仮想化技術の基礎

クラウドの普及によって、仮想化技術というコトバを
耳にする機会も増えてきました。

しかし仮想化は決して新しい技術ということはなく、
すでに様々なレイヤーで使われてきた技術でもあります。

今回は仮想化の定義と、仮想化することのメリット、
そしてレイヤーごとの仮想化技術について見ていきましょう。

 

仮想化とは

仮想化とは、サーバやストレージ、ネットワーク機器などの
物理的な構成にしばられずに、論理的な構成でシステムを
使うことが出来る技術です。

もう少し簡単に言うと、

  • 物理的には 1 台のサーバを、あたかも複数のサーバに見せる
  • 複数台のサーバをあたかも 1 台のサーバのように見せる

といったことを可能にする技術を仮想化と呼びます。

 

仮想化することのメリット

仮想化を使うことで、発生するメリットには
以下のようなものがあります。

  • 資源の有効活用
  • 柔軟な拡張性
  • 可用性の向上
  • 運用管理の簡略化

 

資源の有効活用

通常、サーバやネットワーク機器を選定する際、
将来の拡張性を考慮して余裕を見込んでシステムを導入します。

そのため普段はほとんどリソースを使用することなく
運用することになるため、「ムダ」が発生してしまいます。

仮想化を活用することで、1 台の機器を複数の機器として
利用することが出来るため、全体の利用効率を
向上させることが可能になります。

例えば、昼間だけリソースを使用するシステムと、
夜だけリソースを使用するシステムを 1 台の機器で
仮想化してあげることで、資源の有効活用が可能になりますよね。

また当然、機器の台数が削減できるため消費電力も削減できます。

 

柔軟な拡張性

通常のサーバやネットワーク機器を拡張する場合、
一度機器を停止させてから作業する必要がありました。

しかし仮想化を利用することにより、システムを
停止させることなく拡張させることが可能になります。

 

可用性の向上

仮想化技術を利用すれば、機器に障害が発生しても、
他の機器で処理を引き継ぐことができ、サービスを止めることなく
提供し続けることが可能になります。

運用管理の簡略化

仮想化を利用すると、物理的な機器の台数が削減出来るため、
管理する手間も当然減ります。

また、仮想化することで、簡単にバックアップや復元、移行を
行うことが出来るのも、運用管理の簡略化に一役買っています。

 

レイヤーごとの仮想化技術

さて、仮想化と言っても様々なレイヤーごとに仮想化技術があります。

ネットワークレイヤー

ルータやスイッチといったネットワーク機器の仮想化といえば、
「VLAN」や「仮想 IP アドレス」などが有名ですね。

ストレージレイヤー

RAID(Redundant Array of Independent Disks)や
LVM (Logical Volume Manager)も仮想化の技術を利用しています。

CPU レイヤー

1つのプロセッサをあたかも2つのプロセッサであるかのように
見せかけるHT (Hyper Threading)技術や、各プロセッサで
メモリを共有して、並列処理を行うSMP (Symmetric Multi Processing)
といった技術も仮想化といえば仮想化。

サーバレイヤー

最近の仮想化というと、このサーバの仮想化を指すことが多いですね。
VMWare や Citrix の Xen などの登場により、一気に普及してきています。

サーバレイヤーの仮想化には、パーティショニングや OS 仮想化といった
仮想化技術があります。
VMWare や Xen は無償で使用することが出来るため、
すでに使用したことがある方も多いでしょう。

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