物理層の規格(2)

光ファイバケーブル

光ファイバケーブルはツイストペアケーブルのように電気信号を使って通信を行うのではなく、光信号を使って通信を行います。電気信号に比べて外部のノイズによる影響が少ないため、利用出来る距離も長く、屋外配線としても使用することができます。
100BASE-Fや1000BASE-SX/LX、1000BASE-SR/LRなどが光ファイバケーブルを使用する規格になります。

光ファイバケーブルは光が伝搬されるコアと、その周りにあるクラッドという2つの層でできています。コアもクラッドもガラスで出来ていて、それぞれ屈折率の異なる物質を使うことで、光がコアとクラッドの境目で反射しながらファイバケーブルの中を伝わっていきます。

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また光ファイバケーブルはツイストペアケーブルとは違い、送信用(Tx)と受信用(Rx)で別々のケーブルを使用します。ネットワーク機器側のインターフェースは、送信用と受信用の2つのポートがあり、双方で送信用のポートにケーブルを接続した場合はリンクアップしません。

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2つのモード

光ファイバケーブルには、マルチモード(MMF:Multi Mode Fiber)とシングルモード(SMF:Single Mode Fiber)という2つのモードがあります。

マルチモード

マルチモードはコア径が50μmか62.5μmの光ファイバケーブルです。コア径が大きいため、光はコアの中をさまざまな経路で反射しながら伝わっていきます。マルチモードでは光が複数反射するため、光信号同士が影響を与え合ってしまい、伝送損失が大きくなります。そのため、伝送距離も短く(最大で550m程度)、遠距離通信には向いていません。そのかわり、コア径がシングルモードよりも太いためケーブルの強度が高いのが特徴です。

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シングルモード

シングルモードはコア径が8~10μmとマルチモードよりもコア径が小さいファイバケーブルです。コア径を小さくすることで、光信号は1つの反射のみでケーブル内を伝わります。そのため伝送損失が小さく、長距離伝送に向いています。ただしマルチモードに比べてケーブル強度が弱く、価格が高いという特徴があります。

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マルチモードとシングルモードの違いをまとめると以下のようになります。

項目 マルチモード シングルモード
コア径 50μm / 62.5μm 8~10μm
クラッド径 125μm 125μm
光の反射経路 複数 1つ
伝送損失 大きい 小さい
最大伝送距離 550m 70km
ケーブル強度 高い 小さい
コスト 安い 高い

光ファイバケーブルのコネクタ

光ファイバケーブルには様々な種類のコネクタがあります。

LCコネクタ

現在主流のコネクタでコネクタが小さいため、機器の多くのポートを実装することができます。

LCコネクタ-LCコネクタ 光ファイバーケーブル - サンワサプライ株式会社

SCコネクタ

NTTが開発したコネクタで、LCコネクタよりも大きく扱いやすいのが特徴です。

SCコネクタ-SCコネクタ 光ファイバーケーブル - サンワサプライ株式会社

国内ではLCコネクタとSCコネクタが主流ですが、その他にも「STコネクタ」や「MT-RJコネクタ」、「MICコネクタ」などがあります。

送信用と受信用のケーブル接続に注意

光ファイバケーブルは送信と受信で別々のケーブルを使用します(2芯1対)。そのためネットワーク機器の接続ポートも、送信用(Tx)と受信用(Rx)の2つのポートがあり、相手側ポートのRxに接続したケーブルはTxに、相手側ポートのTxに接続したケーブルはRxに接続しなければ通信できません。

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現場で光ファイバケーブルを接続してもリンクアップしない場合、RxとTxのケーブルを入れ替えてみると接続できることがよくありますので覚えておきましょう。

ケーブルの設計、構築ポイント

ツイストペアケーブルや光ファイバケーブルを使用したLANの設計や構築を行う際には、以下のポイントをおさえておきましょう。

ケーブルの距離制限から選択する

各ケーブルには距離の制限があります。距離制限を超えて使用すると伝送損失が大きくなりエラーの原因やスループット低下の原因になります。
そのためケーブルの距離制限を考慮して設計を行うようにしましょう。

フロア間やビル間など、距離が100m以上離れている機器を接続する場合は、光ファイバケーブルが適しています。さらに距離が数km以上離れている場合は、シングルモードを選択しましょう。
逆にフロア内などある程度距離が限られている場合は、コストが安いツイストペアケーブルの方がよいでしょう。

利用帯域から選択する

将来の予定も考慮してケーブルを選択することも重要です。現状は1Gbpsしか使わないのであれば、カテゴリ5のUTPを配線すれば済みますが、将来的に10Gbpsまで利用出来るようにしたければ、カテゴリ7のUTPの配線しておいた方がよいかもしれませんし、場合によっては光ファイバケーブルの選択も検討した方がよいかもしれません。特にサーバーやストレージを収容している機器など、将来的にトラフィックが増加すると予想されるところには、初めから光ファイバケーブルを選択する方がよいでしょう。

光ファイバケーブル設計の注意点

光ファイバケーブルには、2つのモードと複数のコネクタの種類が存在します。接続する機器ごとに使用出来るモードとコネクタが違いますのでネットワークを設計する時には注意しましょう。

ケーブルテスターでケーブルの正常性をチェックする

クロスケーブルとストレートケーブルを間違えたり、ケーブル内部が断線していたり、ケーブル周りのトラブルは結構発生します。こうしたケーブルに関連したトラブルの原因を調査するときに利用するのがケーブル・テスターです。ケーブル・テスターはLANケーブルの正常性をチェックする装置で、機能によって数千円から100万円以上のものまで幅広く存在します。

LANテスター - サンワサプライ株式会社

ケーブル・テスターを使用することで、ケーブルの断線やショートといった問題や、実際にデータのやり取りが出来るかどうか、Pingが通るかどうかのIPレベルのチェックすなどを行うことができます。

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