Ciscoルータを設定してみよう

Ciscoルータを設定してみよう

ルータの立ち上げから簡単な設定を行うまでを解説します。

実機に触れる機会がある方はぜひ一度触ってみてくださいね。習うより慣れろの世界ですし、自分の手を動かす方が理解も早いです。

もし、会社でルータを触ることが出来る機会があれば、怖がらずにいじってみてください。

手元にルータが無い場合、Ciscoルータを仮想的にシミュレーションできるVIRLを使ってみるのもよいかもしれません(Ciscoアカウント要)

CiscoのVIRLを試してみた。 - ネットワークエンジニアを目指して

設定はすべてコマンド操作で行うため、一見難しそうですが実はそれほど難しいことはありません。

Ciscoルータにはディスプレイやキーボードがありません

Ciscoルータにはディスプレイやキーボードが付いていません。またデスクトップPCのようにキーボードポートやディスプレイポートも無いので直接接続することも出来ません。

ではどうやって操作するのでしょうか?

コンソールケーブルで接続しましょう

Ciscoルータへの接続方法はいくつかあるのですが、もっとも一般的な方法はルータのコンソールポートとPCのシリアルポートをコンソールケーブルで繋いでPC側でルータの設定を行う方法が一般的です。

コンソールケーブルとは、以下のようなもの。

ルータを購入すれば、添付で付いています。

コンソールケーブルは、PCに接続する方は、DB–9ピンで、ルータ側に接続する方はRJ45コネクタの形状です。最近のCiscoルータは、USBで接続するタイプもあります。

ルータが手元にある方はインタフェースを覗いてみてください。「CONSOLE」や「CON」と書かれているポートがあるかと思います。そのポートがコンソールポートです。

このコンソールポートに、コンソールケーブルを接続します。PC側は、PCにDB–9ピンのポートがあれば、そのまま接続すれば問題ありません。

最近のPCにはDB–9ピンのポートが存在しないものがほとんどですので、現在主流になっているのが、USBとDB–9ピンを変換するケーブルを使用する方法です。この変換ケーブルを使用すれば、PCにUSBポートさえあればルータと接続できます。変換ケーブルはさまざまなメーカから発売されているのですが、どうやら相性の問題で、うまく接続できないケーブルも存在するようです。

とくに価格が安いケーブルだと接続できない話も聞きます。購入する場合は、周りの識者やインターネットで調べてから購入した方がいいかもですね。私が使用しているケーブルは以下で、問題なく使用できています。

コンソールケーブルのピンアサイン

使用するコンソールケーブルは通常のストレートやクロスケーブルとはピンアサインが異なるため、Cisco専用のケーブルを使用しなければなりません。このケーブルのことをロールオーバーケーブルと呼びます。見た目が平べったいので、「きし麺ケーブル」と呼ぶ人もいます。

ロールオーバーケーブルのピンアサインは以下のようにすべてのピンが逆順配列になっています。

ロールオーバーケーブルのピンアサイン

  • RTS : Request To Send
  • CTS : Clear to Send
  • DSR : Data Set Ready
  • TxD : Transmit Data
  • RxD : Receive Data
  • GND : Grand
  • DTR : Data Terminal Ready

通常のストレートケーブルやクロスケーブルとはピンアサインが違いますので使用できません。コンソールケーブルとUSB - DB–9ピン変換ケーブルの接続はこんな感じで接続します。

ターミナルソフトを立ち上げよう

PCとルータをロールオーバケーブルで接続した後は、PCでターミナルエミュレータソフトを立ち上げましょう。ターミナルエミュレータソフトを使うことによってPC側のキーボードとディスプレイを使用し仮想的にCiscoルータを操作することが可能になります。

ターミナルソフトは色々ありますが、頻繁にターミナルソフトを使うのであれば操作性の良い“Tera Term Pro”をおすすめします。

  • Tera Term Pro
    http://hp.vector.co.jp/authors/VA002416/

ここでは“Tera Term Pro”を使用して接続してみましょう。
それではまずTera Term Proを立ち上げてみましょう。立ち上げると以下の画面が表示されます。

コンソール接続する場合は、「Serial」を選択します。Port(通信ポート)の設定は、デバイスマネージャでどのポートを使っているか確認して、選択してください。

次にポートの設定を行います。

「Setup」-「Serial Port」を選択してください。

ここの設定はCisco側のコンソールポートと設定を合わせなければいけません。Cisco側のコンソールポートのデフォルト設定は以下の通りです。

  • ビット/秒:9600
  • データビット:8
  • パリティ:なし
  • ストップビット:1
  • フロー制御:なし

TeraTermはデフォルトの設定で上記の設定になっているはずですので、そのままOKを選択してください。もし違っているのであれば、上記の設定に変更しましょう。

OKを押下すると何も表示されていない画面になるとおもいます。ここでCiscoルータの電源を入れてみましょう。ルータの初期化が始まり、以下のようなメッセージが表示されます。

コマンド実行結果

	System Bootstrap, Version 12.4(22r)YB5, RELEASE SOFTWARE (fc1)

	Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport
	Copyright (c) 2009 by cisco Systems, Inc.
	
	C890 platform with 786432 Kbytes of main memory	
	Upgrade ROMMON initialized
	program load complete, entry point: 0x80020000, size: 0x302a54c
	Self decompressing the image : ########################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################################### [OK]
	*** No sreloc section
	              Restricted Rights Legend
	
	Use, duplication, or disclosure by the Government is
	subject to restrictions as set forth in subparagraph
	(c) of the Commercial Computer Software - Restricted
	Rights clause at FAR sec. 52.227-19 and subparagraph
	(c) (1) (ii) of the Rights in Technical Data and Computer
	Software clause at DFARS sec. 252.227-7013.
	
	           cisco Systems, Inc.
	           170 West Tasman Drive
	           San Jose, California 95134-1706
	
	
	
	Cisco IOS Software, C890 Software (C890-UNIVERSALK9-M), Version 15.3(3)M3, RELEASE SOFTWARE (fc1)
	Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport
	Copyright (c) 1986-2014 by Cisco Systems, Inc.
	Compiled Wed 28-May-14 07:56 by prod_rel_team
	
	
	This product contains cryptographic features and is subject to United
	States and local country laws governing import, export, transfer and
	use. Delivery of Cisco cryptographic products does not imply
	third-party authority to import, export, distribute or use encryption.
	Importers, exporters, distributors and users are responsible for
	compliance with U.S. and local country laws. By using this product you
	agree to comply with applicable laws and regulations. If you are unable
	to comply with U.S. and local laws, return this product immediately.
	
	A summary of U.S. laws governing Cisco cryptographic products may be found at:
	http://www.cisco.com/wwl/export/crypto/tool/stqrg.html
	
	If you require further assistance please contact us by sending email to
	export@cisco.com.
	
	Installed image archive
	Cisco 892 (MPC8300) processor (revision 1.0) with 747520K/38912K bytes of memory.
	Processor board ID FHK1440765Y
	
	9 FastEthernet interfaces
	1 Gigabit Ethernet interface
	1 ISDN Basic Rate interface
	1 Virtual Private Network (VPN) Module

	256K bytes of non-volatile configuration memory.
	250880K bytes of ATA CompactFlash (Read/Write)

	Press RETURN to get started!

起動時のメッセージの内容についてはのちほど解説したいと思います。

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