ネットワークエンジニアという仕事(1)

「ネットワークエンジニアのお仕事って興味あるんだけどいったいどんな仕事してるの?」なんて聞かれることがたまにあります。

就職を控えた学生の方や異業種からネットワークエンジニアへ転職を考えている方へ、向けてネットワークエンジニアという仕事について書いてみようと思います。

ネットワークエンジニアとは?

 ネットワークエンジニアの仕事といっても様々ありますが、一言でいうと「ネットワークインフラの設計・構築や運用管理をする仕事」がネットワークエンジニアの仕事です。

具体的にどのような仕事があるのか見ていきましょう。
また、ここで説明していないような仕事ももちろんあると思いますが、ここでは基本的なネットワークの仕事についてのみ説明しています。

ネットワークエンジニア:ネットワークの設計を行う仕事。

 お客様のネットワークインフラの設計を行う仕事。

お客様が何を求めどのようなシステムにしたいかを収集し、コストと効果のバランスの取れたシステムを設計します。

設計した提案書を元にお客様に説明し、お客様が納得し受注して始めてお金になります。
つまりいくら沢山の提案をしても受注しなけりゃ何の意味もないわけですね。
そのためにお客様が興味を持つような魅力的な提案と説得説明する話術のスキルは重要です。

もちろん流れの速いネットワーク業界において、常に最新の情報をチェックするのはデフォルトで必須ですし、実際にネットワークを設計するわけですからネットワークに関する基礎的な技術と、どのネットワーク機器を使えば最適なシステムになるのか各メーカーの機器に精通している必要があります。
それだけ大変な仕事ではありますが受注したときの達成感は

ネットワークエンジニアやっててよかったぁ!!

てなものです。

私も前の会社ではネットワークエンジニアとしてネットワーク設計の仕事をしていました。というか前の会社があまり規模が大きくなかったので設計から提案、構築、保守まで一連の仕事をこなしていたわけですが・・・

そこで様々なお客様のインフラを構築してきましたが、構築後にお客様に信頼されて別の仕事でも色々声を掛けてくれたことは非常に大きな自信にもなりました。

ただチョンボするととんでもないことになったりします。
提案段階でこのルータだったらあの機能があったはずだという思いこみのまま提案してしまって、いざ実際に検証環境で検証してみたら実は選定したルータに使いたい機能が無かったなんてことがありました。
その時はとにかくお客様に平謝りで機器の変更をしてもらったというほろ苦い想いでもあります。

 

ネットワークエンジニア:ネットワークの構築を行う仕事。

ネットワークを設計した通りに構築する仕事。

通常ネットワークを設計する際に各機器をどの場所に設置し、どのような設定を行うかといった詳細な設計書を作成します。
その詳細設計書を元に実際に各機器を設置・設定し、想定通り動作するかを試験します。

新規システムの構築などでは新たにケーブルを敷設するといったレイヤ1的な仕事もあったりします。
ネットワークエンジニアなんてかっちょいい名前ですが泥臭いこともするんですよ。

構築は一人で行うことはまずありません。
複数人でチームを組んで、リーダが時間内に無理なく作業が終わるように的確に指示を出します。

当然作業は事前の機器設定などを除けば全て現場、つまりお客様のもとで行われますので当初の設計通りいかないことが多々ありあます。

  • 当初工事前までに配線が全て終わっている約束だったのにしていなかった。
  • 配線されていたケーブルが機器設置場所まで届かない。
  • 事前に取り決めていた機器の設置場所に別の機器が設置されていた。
  • 実際に設置・設定して確認試験をすると想定通り動作しない。

といった問題が結構発生します。
こういった問題が発生しても構築を延期するなんてことはまず出来ません。
現場にいる人たちで何とかして問題を解決しないといけないわけです。
そういう意味でもこの仕事はあらゆるトラブルに対処できるように、ネットワークエンジニアとしてネットワークに関するトータルスキルが必須です。

例えば…
ケーブルが配線されていなければ自分たちで配線する。
UTPケーブルの作成はもちろん光ケーブルの融着まで出来ればなお可。
うまく通信できない場合などは、ルーティングの問題なのかあるいは物理的に途中のケーブルが断線しているのか、各機器の設定は問題ないかといった切り分けを行う能力も必要です。

それと個人的考えを言わせていただくとこの仕事には美的センスが非常に重要ではないかと思います。

ネットワークの構築は詳細設計書通りに設置・設定して試験すれば特にトラブルが無ければそれで終わりです。
つまり誰がやっても大きな差はなく出来てしまうわけです。

ではデキるネットワークエンジニアはどこで他の人と差をつけるのか?

それはやはり構築時の見栄えではないかと思うわけです。

  • 設置した機器には分かりやすくホスト名やIPアドレスなどを印字したラベルを貼り付ける。
  • 配線したケーブルはベルクロやスパイラルチューブなどで綺麗にまとめる。
  • 機器に接続したケーブルには何に仕様しているケーブルなのか分かるようにタグを付ける。

特にラック内のパッチケーブルは人目にも付きやすく、数百本単位でパッチする場合など乱雑になりやすいです。
そこを綺麗に仕上げるにはそれなりのテクニックが必要だったりします。

私の知り合いでも時間内で如何に綺麗に仕上げるかということに命を懸けるような、ある意味職人的な人も数多く存在します。

つまりネットワークエンジニアは機器のオペレーションが出来るだけではなく、もっと泥臭いことも出来た方が重宝されるよって所でしょうか。

ネットワークエンジニア:ネットワークの運用管理を行う仕事。

動き出したネットワークインフラを運用管理する仕事。

一度構築したネットワークを同じ構成のまま何年も使い続けることはまずないでしょう。

例えばある部門の人員が増員されるといった時には、スイッチを追加したりVLANを増やしたりする必要がありますし、新しく部門が増えるといった時には新たにセグメントを増やす必要があるかもしれません。
こういった時にはネットワークエンジニアとして、機器の設定変更や構成変更が必要になります。
もちろんどこがどのように変わったのかをネットワーク構成図などの管理資料で管理し、ツギハギだらけのネットワークにならないようしっかりと管理することも必要です。

また、日々のトラフィックを監視してネットワークが輻輳する前に、回線の増強や機器の交換の検討を行うといった事も行います。

それと社員からネットワークが使えないといった苦情があったときなどは、その原因の調査なども行います。
調べてみると実はサーバ側に問題があったということが結構あるのですが、何故か最初に疑われるのはネットワークだったりします。
なぜかサーバ管理者とネットワークエンジニアって水と油な関係な気がするのですが気のせいでしょうか…

また、比較的規模の大きなネットワークになるとネットワーク監視ツールを導入して、監視するケースが多いようです。
ネットワーク監視ツールを使えば一元的にネットワークを監視することが出来るため、障害の早期発見にも役立ちます。

話は少しそれますが、ネットワークのトラブルというものは多岐に渡るため発見するのが非常に困難な場合があります。
しかもパソコンのトラブルなどと違い、トラブルが目で見えないというのも厄介ですね。
インターネットに繋がらないだとか業務システムにログイン出来ないといった間接的な情報からトラブルを探さなければいけません。
その情報を頼りに頭の中で通信の流れを紐解きながら、一つずつ切り分けていきます。

 

ネットワークエンジニア:ネットワークの保守を行う仕事。

ネットワーク機器が故障したときの障害切り分けや障害部位の交換を行う仕事。

ネットワーク機器は機械ですから当然故障が発生しますし、それがいつ何時故障が発生するか分かりません。
機器が故障すると当然通信できなくなりますから、業務にも支障が出てきます。
そこでネットワークエンジニアはネットワークの障害時に、故障部位の特定と交換といった作業を行う必要があります。
一般的規模がある程度大きな社内ネットワークについては、社外の保守業者に委託していることが多いと思います。
自社直営でネットワークをお守りするよりも、専門の保守業者に委託するほうが間違いなくコストダウンとダウンタイム短縮に繋がりますからね。
通常保守業者は、ネットワークの構築を依頼した業者あるいはその関連会社が請負う場合が多いようです。

保守業者の仕事は色々ありますが、基本的なサイクルは以下の通りです。

  • お客様からの申告を受けて現地に赴く。
  • 障害箇所の切り分け実施。
  • 障害部位を特定すると、その部位を交換。
  • 障害が復旧しているかどうかお客様に確認。
  • お客様が確認がOKであれば終了。

とまあ書いてみると意外に簡単そうなのですが、障害部位の特定に時間がかかる場合が多々あります。
物理的に目に見える障害であれば、特定は早いのですがとかくネットワークというものは目に見えないため、外見上問題ないように見えても通信が出来ないなんていう障害は原因が中々見つからない。
そんな時によく行う手法は、パケットをキャプチャしたりします。
様は目に見えないモノを目に見える状態にしてみるってわけ。
パケットキャプチャソフトを使用するとネットワーク上に流れるパケットをコンピュータの画面に表示させて、どんなパケットが流れているのかを視覚的に見ることが出来ます。
そして頭の中でパケットの流れを意識しながら1つ1つ紐解いていきます。

ネットワークエンジニアとしての保守の仕事は、顧客から障害連絡があったらパソコン持って直ちに駆けつけるってのが基本のため、体力勝負みたいなところがありまして。
私も設計、提案、構築、保守と何でもかんでもやらされていた時期があって、一番悲惨だった経験が、平日の昼間普通に仕事をしていて21時頃にそろそろ帰ろうかななんて思っていたら営業から電話があって、

営業「akiさん!大変だよお客様から電話があってネットワークに障害があったみたいで、直ぐに直してくれってすごい剣幕なんだよ!!」

オレ「え~それってオレに行ってくれってこと?」

営業「申し訳ない。ちょろっと行ってちょろっと直してきてよ。」

保守契約もしている手前断るわけにもいかずしぶしぶ了解した。

(はぁ~何とか今日中には帰りたいなぁ)

オレ「いいっすよ。じゃあ今からお客様の事務所に向かいます。」

営業「悪いねぇ。飛行機代は立て替えといてね。」

オレ「……は?今、飛行機代とかって言わなかった?」

営業「あれ?言ってなかったっけ?札幌の事務所が障害みたいっすよ。」

オレ「うっそ~ん!!」

これ本当の話です。
そのときはパソコンや工具、書類その他諸々鞄に詰め込んで飛んでいった記憶があります。

ここで識者の方の中には“現地の保守要員がいるだろ?”と疑問を持った方がいると思いますが、このお客様に関しては実は諸々の事情がありまして(すいませんここでは書けません)どうしても東京から向かわなければいけなかったんです。まあ大人の事情ってやつです…

とまぁこんな仕事を何年かやってつくづく保守は体力勝負だなぁと思った次第です。

以上、ネットワークエンジニアの仕事について、超個人的な私見を踏まえて書いてみました。

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